今回、明治神宮大会で連日の登板にも関わらず力投を見せ、見事悲願の優勝を勝ち取った九里亜蓮投手。そんな彼のエピソードを思い出しました。
今大会でも明治大学の岡選手を三振にとった際に雄たけびを上げるなど、気迫や気持ちが表情に表れるタイプの選手のよう。その一方で度々回ってきた打席ではバントをうまく決められず渋い顔もするなど、とにかく感情豊かで、個人的には見ていて飽きないタイプだな、と改めて思いました。
今年の6月、例年行われている平塚での大学日本代表候補合宿でのこと。
私が見に行ったのは22日の土曜日で、選手をテストする意味の紅白戦が行われました。投手は2イニングずつ登板しましたが、九里は打者16人に対し、9被安打1四球と散々な内容。
本人がこの成績で納得しているはずもなく、それを表すようにクールダウン時には他の投手が雑談等しながら話をしている中、一人黙々と走る九里の姿がありました。
そのランニングは他の選手や投手が引き上げても続き、手伝いのスタッフすらも引き上げて誰もいなくなった球場を九里はひたすら黙々と走り続けていました。
それを見ていた私はむしろいつまで続けるんだろう、と気になってその場を動けずずっと見ていました。すると、突然外野フェンスの柵を乗り越え始めたので、思わず怪我しないかとヒヤヒヤ。
何をするんだろう?と思って見ていたら、紅白戦後のロングティー練習で野手の打った外野フェンス越えしたボールを拾っていました。恐らく翌日の朝にでも手伝いスタッフの学生が拾うであろうボールを1つ1つ拾い集めて九里は球場の外に消えていきました。
私が九里選手をちゃんと認識するようになったのは彼が2年生ぐらいの時と記憶していますが、3年生の頃はそれほどいいピッチングではないときもありました。大丈夫だろうか、4年でプロの声がかかる力を持っていられればいいけど…なんて思ってしまったこともありましたが、こうして今年見事に広島カープにドラフト2位指名されたのはやっぱり努力を怠らなかったからか、とこのときの光景が結びつきました。
人の目の届かない所でする努力だけが全てとは言いませんが、それができることは強みだと思います。
九里選手、明治神宮大会優勝おめでとう!
プロでもがんばれ!
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