私は12日間のうち9日東京ドームへ行くことができ、また今年も数々の熱い試合を見ることができました。
※撮影したアルバム一覧は→こちら(14試合分)
都市対抗の雰囲気はいつでも一種独特。
熱い試合展開になればなるほど、プロ野球や学生野球とはまた一味違った都市対抗ならではの球場の雰囲気に鳥肌が立ったり、身震いさせられたりします。
この大会中、私が見た試合で鳥肌が止まらなかった瞬間は2つありました。
1つ目は初日のJX-ENEOS対JR東海の試合で、8回裏に井領選手が逆転の3ランを打ったあと。
打った瞬間ももちろんですが、それよりもその回の攻撃が終了し、井領選手が守備位置の外野へ向かう時でした。その日の観客は外野までいっぱいで、そのいっぱいのお客さんが一斉に「井領!井領!」とコールしていて、その声援を浴びるのはどんな気分だろうと、それが鳥肌の止まらない瞬間でした。
そして2つ目は、最終日の決勝戦、西濃運輸対富士重工業の試合です。
西濃運輸がリードした最終回、あと1人を抑えれば西濃運輸が優勝という場面で先発完投目前の佐伯投手が1塁ベースカバーの際に転んでしまったときでした。
転んだものの起き上がった佐伯投手でしたが、状態が心配され、チームメイトも駆け寄ってきました。
結局、佐伯投手は無事の様子でマウンドに戻り、その時西濃側応援席から発せられる佐伯コールが球場全体を包み込みました。何万人もの人に名前をコールされ都市対抗決勝のマウンドに立つ佐伯投手。彼は今どんなプレッシャーと戦っているんだろうと考えたら、想像もつかず、ただただその大歓声に鳥肌が立つばかりでした。
結果は既報の通り、佐伯投手が最後の1人からアウトをもぎ取り西濃運輸が優勝。
マウンドには選手達が駆け寄り、ピッチャーに覆いかぶさるように喜びを爆発させていました。
都市対抗のマウンド、そこは大きなプレッシャーと戦う場所でもあり、応援してくれる会社の人たちの声援を一身に浴びることのできる場所でもあります。それは限られた人間にのみ与えられた特権で、それを楽しんで打ち勝つか、敗れてしまうか、そこは勝負事ですから終わるまで誰もわかりません。
だからこそ少しでも大きな声援が届けば、とあの球場を包み込むような声援となるのだと感じました。
やや話は逸れますが、個人的に注目し、応援していた大学生投手がいます。
彼ならばいつかこの場に立ち、打ち勝つことのできる力も持っていると信じていました。
しかしながら、彼は野球を辞めました。こればかりは本人の問題であり、無理に続けさせようと周りがどうこうすることもできません。
私は、都市対抗決勝のマウンドで投げきった佐伯投手の姿を眺めながら、彼がその場に立つ姿が叶わなかったことを残念に思うと同時に、自分の選んだ道が正しかったと思える人生を歩んで欲しい、そう願いました。
また来年、どんな多くの興奮できる瞬間に立ち会うことができるのか、今から楽しみです。
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